「人工知能は人間を超えるか」という本をご存知でしょうか。
この本の帯に女性型アンドロイドのイラストが描いてあって、これが「イヴの時間」という映画のキャラクターであることを知ったので、週末見てみたので紹介します。
結論から述べると、
ITが好きな人、もしくは近未来を見たい人は絶対見た方がいい作品
と思いましたので、当てはまる方はぜひ見てみてください!
あらすじ
「未来、たぶん日本。“ロボット”が実用化されて久しく、“人間型ロボット”(アンドロイド)が実用化されて間もない時代。」
2008年8月から、インターネット上で全6話(各15分)で公開されたものを編集した完全版として、2010年3月6日に公開された映画。
テクノロジーの発展により様々なものが人工知能を搭載したロボットへと置き換わっていく近未来。
ハウスロイドという、人間と同じ見た目をした家政婦のようなアンドロイドが社会へ普及し、人々はハウスロイドに家事やスケジュール管理などをさせ、快適な生活を送っている。
その一方で「ドリ系」と呼ばれるアンドロイドに依存する人々や、不法投棄され持ち主を失ったロボットなどが社会問題となっていて、それを問題視する「倫理委員会」と呼ばれる組織が広報活動を行っていた。
高校生のリクオは自分のハウスロイドであるサミィの帰りが遅いことに気づき、不思議に思っていた。
そこでサミィから行動記録を抽出し、外出中に何をしているのか調査をすることにした。
放課後、リクオは学校の友人であるマサキと共にGPSを辿り、サミィの記録にあった場所へと辿り着く。
路地裏の何も書かれていないビルの扉に入ると、そこには「人間とロボットを区別しない」ということをルールに掲げる喫茶店「イヴの時間」が存在していた。
イヴの時間でアンドロイドたちは、その目印となる頭上のリングを消し、誰もが人間と同じように振る舞い、会話をし、そこで過ごす時間を楽しんでいた。
そんなお店に興味をもった二人はイヴの時間へと通うようになる。
そしてある日、リクオはイヴの時間のマスターであるナギに悩みを相談しているサミィと鉢合わせる。
家で見せるアンドロイドのサミィと全く別の顔を見せていたことに、嘘をつかれ裏切られたかのように感じてしまったリクオは困惑してしまう。
けれどイヴの時間で出会った他のアンドロイドと触れ合うことで、次第にアンドロイドの持つ、人間のような一面を理解することができるようになっていく。
そんな矢先、倫理委員会がロボット法に触れる店舗の調査に乗り出し始め、イヴの時間もその対象になってしまい…。
感想
ロボットによる農業への進出により、日本の食料自給率は80%を超え、学校にも街にもアンドロイドが誰かのために動いているそんな時代。
2010年にこの映画を見ても、夢物語にしか感じなかったのかもしれないけど、ペッパーくんやスマートスピーカーが登場した今。そう遠くない未来を描いているようにしか見えませんでした。
衝撃的だったのはイヴの時間内で過ごしていたアンドロイド達が、みな人間のような悩みや感情を持っていたこと。
アンドロイドが、人間の求めているものを理解したいと思ったり、美味しいコーヒーを飲ませたいと思って作り方を変えてみたりとか。
純粋な作業系のタスクだけでなく、PDCAが回せるだけでもすごいのに、結果によって悩んだり喜んだりと感情を表現する…。
エンジニアとしてそういうAIが作れたら超楽しいなぁと思いました。
また、イヴの時間の世界では既に音楽や絵画にもロボットが進出しており、教員型アンドロイドもまもなく実施される予定。さらには育児専用アンドロイドも運用を計画しているとのこと。
作業系の仕事も思考系の仕事も奪われてしまったら、人を感動させるとか愛情を与えるとか、そういう仕事しかなくなるかなと思ったんですが、イヴの時間ではここまでアンドロイドがフォローしてくれる時代になるようです。
そうなると、今は人間が便利な暮らしを送るためにロボットを作っている時代ですが、将来的には主語が変わって、ロボット自身で能力を高めるために思考し、そのサポートとして人間を使う。
つまりロボットに使われるのが仕事になる。そんな世界になっていくのかもしれないと思いました。
VRが発展すれば、バーチャルワールドで遊べるようになって、食料はロボットが生産して自給自足できるようになれば、仕事せず一日中、仮想現実で遊ぶような生き方も出てくるかもしれません。
でも仮想体験が現実体験に勝ることはないと思うから、仮想体験なら誰でも出来るけど、現実体験をするために経済活動を行っていくのかな…。
とまぁ妄想は膨らむんですが。
人間とロボットによる未来とその可能性を感じ、ワクワクさせてくれる素敵な映画でした!
今回は触れていませんが、ロボットが感情を持つことによる人間との絆のストーリーがあったり、サミィの裏話が深かったり、声優陣がめちゃくちゃ豪華だったり…。
そういった面白さももちろんありますので、みなさんぜひ一度ご鑑賞いただけたらなと思います。
ちなみに今AmazonPrime会員なら、誰でも無料で見れるみたいです。